数多くのお見合いをして、いつも心がけていたことがある。お見合いして5分も話せば、お付き合いしたいかどうかの結論は出る。「この人とは全く合わない」と思った場合でも、お見合いの場やその日のデートでは、紳士として振る舞い、相手を淑女として扱い、話を絶やさず、お茶代や食事代をごちそうするということだ。
これぐらいのことはお見合いする男性にとって当然の義務だとお考えの読者も多いと思うが、「割り勘」を主張する男性は意外に多いのだ。ある女性は「ごちそうしてくださるなんて珍しい。この前、お見合いした方は私が『私も払いましょうか』と声をかけると、あっさり受け取って、後で領収書をまじまじと眺めて『ホテルのコーヒー代は高いんですね』と言うんですよ。げんなりしました」と話していた。見合いする男性に言いたい。お茶ぐらいごちそうしろ!
私は相手が自分に合うかどうかはともかくとして、お見合いに来る全ての女性が好きだ。お見合いする女性には自分の力で自分の幸福をつかもうという積極的な姿勢があるからだ。相当な“経験者”は別にして、普通のお嬢さんにとって見知らぬ男性と結婚を想定しながら話をするのは相当なプレッシャーである。
だから、多くの女性はお見合いを敬遠しがちだ。しかし、偶然に素敵な出会いなどは滅多にないから、結婚にあこがれを感じながら、何もせず歳を重ねる女性が多い。お見合いする女性はプレッシャーや不安を克服して挑戦したのだから、私はとりあえずお見合いの場だけは快適な空間にしてあげたいと思ったのだ。
仲人さんの間での評価を高めておこうという打算もあった。お見合いやその後のデートでどう振る舞ったかは相手の女性を通じて相手方の仲人に報告される。その報告は仲人の間で共有され、報告の積み重ねがその人の評価になる。態度が悪い人は事実上、「ブラックリスト」に載り、スポイルされるケースもある。評価が高ければ、断った相手の仲人さんでも「あの男性は誠実だから、前にうちが紹介した人は断られたけれど、新しい人を紹介してみたい」と考えてくれる世界なのである。
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