とてもきれいなOLとお見合いしたことがあった。私は最初のころ、その美貌にボーッとしていたが、デートの回数を重ねるにつれ、気になることができてきた。彼女はデートのたびに1時間程度も遅刻してくるのだ。遅れてきて「ごめんなさい」と言うだけ。つまり時間にルーズなのだ。
知り合ってまもない女性だし、私自身も他の女性とのお見合いで遅刻した“前歴”があるだけに、私はいつも笑って「いいですよ。全く問題ありません」と答えた。自分が寛大な人物であることをアピールしたいという見えもあった。
しかし、遅刻が度重なるにつれ、美貌よりも、遅刻で相手にかける心理的な負担に気づかない無神経さが気になり、私は「こんな女性と結婚したら、自分は我慢できても、家族や大切な友人に迷惑をかけるだろう」と思うようになった。
いくつか質問したが、彼女が遅刻しなければならない原因はないようだった。
さて、どうするか。私は考え込んだ。遅刻だけが“玉に瑕(きず)”で、美人が私と付き合ってくれるのだから、こちらからその点を注意して直してもらおうかとも考えた。しかし、結局は「私にはもったい方なので」というあいまいな理由で仲人さんにお断りの返事をした。
友人に話すと、「そんな美人を断ってもったいないじゃないか。私なら、遅刻しないようにきっちりとしつけるよ」と言う。これを聞いた時、この友人の顔をまじまじと眺め、「だから、こいつもいつまでも独身なんだな」と納得してしまった。
この友人もお見合いをしていたが、気のきかないお見合い相手を叱りつけて、お断りの返事をもらったことがあった。子供やペットじゃあるまいし、すでに人格が形成された成人の欠点については、男性に対しても女性に対しても「しつけて直す」なんてことはできっこない。夫婦の間でも「しつける」なんて、ありえない話だと思う。
まして、お見合いの相手は会ってそれほど時間が経っていない他人。どうしても直してほしい部分があれば、直してほしいと“お願い”するのが精一杯のところ。注意したり、叱りつけたりしたら、「知り合ってまもない相手から、なんでこんなことを言われなくてはいけないの」と反発するのが関の山だ。
相手にどうしても直してほしい欠点があり、“お願い”しても直してくれなかったら、お断りした方が無難だと思う。

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