こちらの条件も決して良くないから、せっかくお見合いに来ていただいた相手に対してはできる限り良い所を見つけておつきあいしたいと思ってきた。しかし、どうしても勘弁してほしいタイプもあった。お見合いの席でいきなり「新聞記者さんにぜひ聞きたいことがあって…」と政治の話を切り出す人だ。
このタイプは「聞きたいことがあって…」と言いながら、こちらに話を向けることなく自分の主張を延々と繰り返す。そのテーマは慰安婦問題や靖国問題という歴史問題やイデオロギーなどで、朝日新聞を読みかじった程度の左翼的な内容を自慢げに話す。自分の知的レベルが高く、政治的な意識をもっているということを誇示したいだけ。
わが産経新聞を全く読んでおらず、産経新聞の路線が朝日と対極にあることも理解していない程度の知識レベルの話だから聞いていてあくびが出そうになる。新聞記者だからというわけではなく、他のお見合い相手にも同じ話をしているとか。意外にこういうOLが多いのだ。
私もこれらの問題について強い関心をもっており、取材先で聞かれるかもしれないから、理論武装をしているつもりだ。しかし、お見合いの席で最初のテーマにしようとは思わない。さまざまな人が集まる米国では「政治と宗教の話はタブー」と言われるが、日本でも相手の事情をよく理解しない状況で、政治や宗教というデリケートな話題を口にするのはマナー違反だし、デリカシーに欠けると見られても仕方がない。
幸い、このタイプはこちらの意見を聞こうとしないから、私が反論しなければならない局面に遭遇することなく、「よく勉強されていますね」などと相槌を打っておけば、お見合いの時間は過ぎていく。頭の中では「こんな人をファンにもつ朝日新聞さんも大変だな」とライバルを同情しながら…。
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