やぼな私にとって“女心”は長い間、ブラックボックスのような存在だった。お見合いの席や最初のデートで盛り上がり、相手の女性が私のことを気にいってくれたように見えても、2回目のデートでは心を閉ざして言葉数が少なくなり、3回目のデートの後に仲人さんを通じてお断りの返事をもらうというケースが続いたことがあった。
自分のどこに問題があったのか、さっぱりわからなかった。デート中に何か失礼なことを無意識のうちに言ったり、したりしているのではないかと悩んだこともあった。面(つら)の皮が厚くなった今なら、「何かご不快なことがありましたか」とか「私に何か問題がありますか」とはっきりと聞ける。しかし、当時は、ふさぎこんだように見える女性の前で、ただ戸惑うばかりだった。
今、当時を振り返ると、相手の心の動きがわかるような気がする。たぶん、彼女がお見合いや最初のデートを終えて帰宅し、家族や友人に報告すると、家族や友人は私の条件や家庭環境などの問題点を心配して「そんな人とのお付き合いはやめたほうがいい」と反対したのだろう。
彼女としてはお見合いやデートが楽しかったから、お付き合いを続けたいと思っても、周囲からそう言われると、未婚女性は男性を見る“自分の目”に自信がないケースが多いから、気持ちが揺らいでしまう。かと言って、私に対して自分や家族が懸念している問題点を質問するのは失礼ではないかと躊躇(ちゅうちょ)し、デートでも言葉数が少なくなってしまう。
女性は男性ほどには相手に対して率直に質問できないことに気づかなかった私が未熟だった。その反省からアドバイスさせていただければ、相手の女性ばかりでなく、その場にはいない彼女の家族や友人たちも意識しながら自分のことを理解してもらえるように話さなければならないということだ。
お見合いや最初のデートでは、相手の緊張感を取り除くことに力点を置いても、デートの回数を重ねるにつれ、「何でも聞いてください」と相手が聞きやすい雰囲気をつくり、自分が引け目に感じていることも自分からも積極的に話した方がいい。そんな風に自分の情報を提供しておけば、相手の女性は家族や友人から色々聞かれても、「それについて、あの人はこう説明していました。私はとりあえず、その説明を信じたい」と言った具合に反論もできるのだ。
女性の側に立てば、相手の男性について本質的な質問ができず、その男性のことをよくわからないまま、家族や友人のアドバイスだけでお断りの返事をするのはいかにも惜しい。相手に対して懸念するポイントがあれば、さりげなく、相手の気持ちを傷つけないように、場合によっては「父が心配性で、聞いて来いと言うんです」といった具合に家族をダシにして質問してみた方がいい。
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