知り合いのビジネスマンから紹介された大阪のOLはとてもきれいな人だった。何度かデートを重ねたが、奇妙なことに彼女との距離感が全く縮まらない。「デートを申し込めば、来てくれるのに、一体、何を考えているのだろう」と不思議に思っていた。
ある時、彼女を紹介してくれたビジネスマンの話になった。彼女にとっては同じ職場の先輩である。私はこのビジネスマンを尊敬していたので、「彼は素晴らしい人物ですね」と語ると、彼女は堰(せき)を切ったようにビジネスマンの話を始めた。
やがて、彼女はこのビジネスマンが夫婦や家庭の問題で悩んでいることを口にし始め、深刻な表情を見せた。私は「なぜ、彼女は職場の先輩にすぎない人物の私生活まで詳しいのだろう。もしかして、彼と深い仲なのでは」と思い始め、顔を上げて彼女を見た途端、彼女と目が合ってしまった。
私はうそをつけない性格だけに、彼女は私の表情からそんな疑念を感じ取ったようだ。気まずい雰囲気になり、それ以降、お付き合いは途絶えた。不倫していたのかどうかは今もわからない。
既婚男性と不倫している女性は意外に多い。私の知人の中にも、不倫関係を断ち切り、新しい人生を歩むため、お見合いをする女性がいた。
不倫をしていたのでは、幸福にはなれない。一番罪深いのはもちろん、家庭がありながら他の女性に手を出す男だが、男の状況を知りながら付き合う女性も同罪だ。不倫をしている女性に共通しているのは自分が相手の妻や子供を傷つけていることに気づかないという想像力の欠如だ。
男は「妻と別れて君と一緒になる」と言いがちだが、妻子を容易に捨てられる男などほとんどいない。もし男が妻子を捨てて結婚できたとしても、しょせんは愛人のために妻子を捨てるような男である。いつ新しい愛人ができて今の家庭を捨てるかもしれないのだ。
その意味では、女性が不倫をやめ、お見合いをしようという姿勢は評価していい。冒頭で紹介したOLもそんな思いで私とデートしたのかもしれない。しかし、独身男性に物足りなさを感じて不倫相手の元に戻ってしまうこともある。そんな場合、お見合い相手の男性はいい面の皮ではある。
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