このコーナーにいただいた相談の文面の中で「NG項目」という言葉があった。お見合い相手についての受け入れられない部分を意味する表現だ。私にも、絶対に受け入れられない「NG項目」があった。それは誰にとってもそうだと思うが、法律違反行為である。
バリバリのキャリアウーマンとデートしたことがあった。レストランで、彼女はワインをぐいぐい飲みながら「同じ会社の人にも他社の人にも絶対に負けない自信はありますよ。その代わり誰よりも努力しています。終電を気にしなくてすむように愛車で通勤しています」と語った。
全身に自信がみなぎる彼女を見ながら、私は「これまで“なよなよ系”の女性ばかり探していたけど、強い女性に付き従う人生もいいかもしれない」とうっとりした気分になった。
数日が経って、彼女から「先日はごちそう様でした」と礼状が届いた。その中で「あれからオフィスに戻って仕事をしてお酒が覚めたので、車で帰りました。途中で検問にひっかかりそうになりましたが、大丈夫でした」と無邪気に書いてあった。
私はがっかりした。10年以上も前の話だが、私は当時も新聞記者として飲酒運転による悲惨な交通事故の現場を数多く見ていた。失望感と怒りでどっと疲れ、彼女とはそれ以降一切、連絡をとっていない。
ある新興企業の令嬢とお見合いしたことがあった。「私、“ミスコン荒らし”と言われているの」と自慢するのも当然と思われるぐらいスタイルが良かった。
彼女は父親が経営する会社に勤めていた。数回、デートしたが、「父は『今の世の中は貧しい人を優遇し過ぎる。税金を払っている金持ちのことをもっと考えるべきだ』と言います。私も同感。税金を払っていない人間が行政にたかる姿は醜いわ」といった彼女の発言に違和感を感じ、お断りの返事を出した。
それから約半年が経過して、ある法律違反の疑いで彼女の父親の会社が警察の捜索を受けた。それを伝える新聞には「うちは何も悪いことはやっていない」という父親のコメントが載っていた。彼女は容疑内容に関与していたのだろうか。
びっくりしながら記事を読む私の頭に浮かんだのは、やや自分勝手ながら「もし彼女と結婚していたら、どこかのメディアがかぎつけて『社長の娘婿は産経新聞記者』と書かれたかもしれないな」という思いだった。
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