お見合いやその後のデートで会話が弾まない相手でもちょっとした心配りを受けて、こちらの心が揺さぶられ、一気に打ち解けるケースもあった。
芦屋在住のOLとお見合いした時がそうだった。お嬢様育ちで浮世離れしたところのあるタイプで、彼女は私の車を見て「国産車に乗るの、ひさしぶりです。最近は性能が上がってるそうですね」と無邪気ぶりを発揮。庶民の私は話の接点を見つけにくかった。
「これはお断りするほかないな」と思いつつ入った鍋料理の店は靴を脱いで上がるスタイルだった。私が靴を脱ぐと、彼女はさっと私の靴をもち、向きを変え、揃えて置いてくれた。鍋料理も全部、彼女がしきって作ってくれ、できた料理を取り分けてくれた。
たったそれだけのことだが、今どきの女性でこうしたことをさりげなくできる人は意外に少ない。私は「さすがに芦屋のお嬢さんは家のしつけが違うな」とすっかり見直す気持ちになった。
別の機会にお見合いした薬剤師は理知的すぎて感情があるのかないのかわからなかったタイプだった。 お見合いをしたホテルから離れたレストランまで私の車で移動する途中、私は話を盛り上げようと、いろいろ質問したが、返ってくる答えは「はい」か「いいえ」ばかり。そのうえ、車は渋滞に巻き込まれ、隣のレーンに入ろうとしてもなかなか入れてくれず、のんびり屋の私もさすがにいらいらし始めた。
そんな時、助手席の彼女はさっと車窓を開け、手を出して隣のレーンの車にあいさつしてくれたので、私たちの車は隣のレーンに入れた。いつまで経っても運転が上達しない私はとてもうれしかった。
いずれも簡単なことだが、男性はお見合いやデートをリードしなければというプレッシャーをもっているだけに、女性のさりげないサポートが男性の心理に与える影響は予想以上に大きい。お見合いに来られる女性の皆さんにはぜひお願いしたい。
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