お見合いの場合は恋愛と違って、結婚するかどうかの結論をいつまでも先延ばしするわけにはいかない。5回前後のデートで、お見合い相手を気に入れば、プロポーズまではしなくても「結婚を前提にお付き合いしたい」という意思をお相手や仲人さんに伝えるのがマナーと考えておくべきだろう。
だから、デートではあまり時間を無駄にできない。それだけに、お相手を理解し、自分のことを理解してもらうことに集中すべきだ。レストランや喫茶店で食事をしながら、お茶を飲みながら会話を重ねるデートが中心でいいと思う。2人とも映画好きだからと言って、映画館に行くと、鑑賞中は話ができないため、貴重な時間を浪費してしまうことになる。
かといって、デート場所がいつも、レストランでは芸がない。私はある程度、お互いに気心が知れた感じになったころには、よくカラオケボックスにお見合い相手をお連れした。カラオケ好きな女性は多いし、カラオケで大きな声で歌えば、お互いにリラックスした雰囲気でお付き合いできるようになるケースが多いからだ。
ただ、カラオケボックスは2人だけの密室空間になる。前回にご紹介したように、お相手の女性に少しでも、こちらが“狼”に変身するのでは―との不安感が残っているケースでは、断られるかもしれないし、来てくれても盛り上がらない可能性もあるので、避けた方が無難だろう。
つまり、私の場合、レストランの選定に多少の工夫はしても、奇抜な場所でお見合い相手とデートすることはなかった。しかし、お見合いした女性から、それまでにお見合いした男性とのデートについて話を聞いていると、意外な所でデートしたケースが多かった。
一番意外な場所に連れて行かされたのは大阪のOLだった。彼女とお見合いしたサラリーマンは2回目のデートの場所を決めていなかった。2人で街をあてもなく歩いていて、人だかりができている展示会を見つけ、サラリーマンが「よくわかりませんが、人気がありそうな展示会だから入ってみましょうか」と誘ったのが、人間の死体の標本を並べた展示会だった。
「出口の付近で気分を悪くしてうずくまっている女性が多いので、悪い予感がしました。しかし、展示品は想像をはるかに超えていました。このデートの後、お断りの返事をして、お見合い相手の男性の名前も顔も忘れましたが、展示品だけは今も強烈に印象に残っています」
この展示会の是非について、ここで議論するつもりはないが、自分をお見合い相手にアピールしなければならないデートの場所に、自分の影が薄くなるような強烈な印象を与える所を選んではいけないと思う。
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